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舛次崇 静かなまなざし
終了しました
会場:兵庫県立美術館 ギャラリー棟3階(兵庫)
彼は笑顔でアトリエに入って来る。眼の前に置かれたモチーフを嬉しそうにまじまじと見て、小首をかしけている。青い小さな紙箱「シュウチャンBox 」の中の画材をのんびりと確認する。と、やおらノッソリと紙に覆い被さり、いきなり黒いかたまりを描き始めた。舛次崇は、そんな描き方で様々な形を描く。
彼は18歳の頃、知的障害者福祉施設の絵画クラブに参加した。はじめは子供の頃から熱烈なファンであった野球チーム、阪神タイガースのスコアポードの絵ばかりを描いていた。正確に全てのポード文字を描くのだが、その後必ず、それを同じ黒のクレヨンで真っ黒く塗り込めた。2 年ほど経ったある日、たまたま机の上にあった枯れた植物の植木鉢を見て描き始めた。独特の視野で捉えた独創的な絵だった。それ以後から彼は眼の前に置かれた植物の鉢や、日常品を見て描くようになった。対象をじっと見てはいるが、その形をトレースしているのではなく、どうやらそのモチーフから受ける「感じ」を直感的に受信して、描いているらしい。その意識は、全体のバランスなどには向かわない。描き進んで紙の端が来ると、形成されていた形はそこで潔くプッツリと終わる。予想もつかない緊張感をはらんだ構図。生み出されるユニークな形。絶妙な配色。それらは美術教育とは無縁のところで生まれ、屹立している。作品は2008 年アールブリュットコレクション(ローザンヌ)に所蔵された。また2010 年バリ市立アンサンピエール美術館展「アール・ブリュットJAPONAIS」出展、2012年からヨーロッパ巡回展「Art Brut from Japan」に出展。
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(文・はたよしこ)
日程
2021年6月30日(水)–7月6日(火)
休館日:月曜日
10:00-17:00
最終日は14:30まで
会場
兵庫県立美術館 ギャラリー棟3階(兵庫)
兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1丁目1-1
アクセス
JR:神戸線灘駅南口から南へ徒歩約10分
阪神電車:岩屋駅(兵庫県立美術館前)から南へ徒歩約8分
阪急電車:神戸線王子公園駅西口から南西へ徒歩約20分
料金
無料
主催
社会福祉法人 一羊会・すずかけ絵画クラブ