- 展示
ゆびさきのこい
終了しました
会場:art space co-jin
本展では「ゆびさきのこい」と題して、4名の作家による絵画、素描、写真、立体、映像など、幅広いジャンルの作品をご紹介します。
カメラのレンズに指をかけたまま日々撮影される写真や、豆粒ほどに焼成粘土の成形を繰り返す行為。また、鉛筆で細部に至るまで描き込まれた画面の中に浮遊感漂うイラストが共存する絵画。さらには地方公共団体や地形をはじめ交通機関などもすべて想像によって創作された架空の精緻な地図描画。
これら指先から生まれた細やかな創造物と、一見すると無秩序とも思われるそれらが内包する「こい=故意」とは何か。純粋な遊戯の喜びであるのか、また表現欲求の軌跡なのか、作品は観察者に戯れの視点をもたらします。この機会が、まだ見ぬ「こい」に巡り会えるささやかな契機となれば幸いです。
日程
2021年1月19日(火)–3月21日(日)
※月曜休廊
10:00-18:00
会場
art space co-jin
出展作家
上嶋浩綺
勝山雄一朗
木引英明
山口慧太郎
出展作品
プロフィール
上嶋浩綺(うえしま・こうき)
2001年生まれ
就労支援施設ヴィレッジれん
2019年3月中丹支援学校を卒業。同4月からグループホーム180番地で生活、就労支援施設ヴィレッジれんで創作活動に励む。
支援学校時代から、内的な想像力で、自分で考えた独自のクロスワードパズルを作ったり、自分で考案した難度の高い折り紙を作ったり、ファンタジーの世界を小説化するなど、存分に才能を発揮されてきた。
特に、精緻な創造の地図は、下絵を描かず、色とりどりのボールペンをつかって一気描き上げる手法。地名も架空の地名。お菓子の地名、お花の地名、それは、ご本人にとって、全く安全な安心できる世界を表す言葉がちりばめられている。
勝山雄一朗(かつやま・ゆういちろう)
1984年生まれ
京都市ふしみ学園 アトリエやっほぅ!!
施設では一番落ち着く陶芸室で過ごすうちに、土を指先で丸めたり見まねで叩いたりしながら土の作品を作るようになる。通称「かつ玉」。近年それらを板の上に規則的に並べ、「うまくできました」と告げた。
また「絵描きます」と言うとクレヨンや色鉛筆などを使い、素早く物凄い勢いで紙に描写していく。数字や自分の名前を書いたうえから、色とりどり線のストロークを幾重にも重ねている。勢いあまりはみ出したクレヨンの集積は下敷きに凹凸を形成し、ドローイングに新たな表情を与える。陶土形成から古紙の紙ちぎり、ドローイングなど花から花へと移る蝶のように、勝山の創作は続いている。
木引英明(きびき・ひであき)
1960年生まれ、2021年没
就労支援施設ヴィレッジれん
12歳頃、父親の仕事の関係で大阪から茨城へ引っ越し、その後千葉へ移る。
18歳まで東京の日本デザイン専門学校(現:日本デザイン福祉専門学校)のグラフィックデザイン学科に通い、卒業後は大阪に戻ったあと、京都・亀岡市へ両親とともに移住。
スケッチブックに鉛筆や色鉛筆を用いて描く、繊細な動物画とコミカルなイラストが特徴。作品制作は自宅、施設と場所を問わずほぼ毎日行なっている。
山口慧太郎(やまぐち・けいたろう)
2000年生まれ
一般社団法人 ヴァリアスコネクションズ ツナガリの福祉所
京都市在住。小学生の頃から、色々なペンを取り替えながら、色味や書き味を確かめるようにペンを走らせていた。高校生になり、学校で大きな旗や絵画を制作することがきっかけでグルグルと円を描くようになる。現在では、紙とペンがあればどこでも行うようになった。
通所する「ツナガリの福祉所」では、2019年からドローイングと共にデジタルカメラを使った写真撮影を始める。外出支援の際には、1時間ほどの撮影で写した画像が100枚を超えることもある。レンズを左手で覆いながら撮影された写真《手がかり》は、シャッターを切るという行為を山口が指先を通じて楽しんだ痕跡なのだろう。
料金
無料
主催
art space co-jin
きょうと障害者文化芸術推進機構
協力
就労支援施設ヴィレッジれん、京都市ふしみ学園 アトリエやっほぅ!!、一般社団法人 ヴァリアスコネクションズ ツナガリの福祉所
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新型コロナウイルス感染症予防として、art space co-jinでは、こまめな換気やドアノブやペンなどの消毒を行い、ギャラリースタッフはマスクを着用して応対します。ご来場の際には以下の取り組みについてのご協力をお願いします。
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