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2019年度 共生の芸術祭「DOUBLES」
終了しました
会場:京都府立京都学・歴彩館 小ホール
きょうと障害者文化芸術推進機構と京都造形芸術大学アートプロデュース学科が連携し、2019年度 共生の芸術祭「DOUBLES」を開催いたします。障害を持つ人が作ったものが美術館やギャラリーに展示されると、それは「作品」と呼ばれ「作者」の個性と結び付けられるようになります。本展が注目するのは、作られたものが「作品」となるその一歩手前です。本展に出展される「作品」は展示のために作られたものではありません。誰かと何かと関わりながら共に生きてきた日々のささやかな振る舞いの蓄積が「作品」に繋がっています。
本展では、こうした「作品」の一歩手前にある共生の営みを、一方向的な介助や補助というよりは、相互的なダブルスと言い表します。障害を持つ人の「作品」を「作者」の個性に帰属させるのではなく、介助や補助の帰結とみなすでもなく、“誰かと何かと” 共に生きるダブルスの軌跡として捉えること。その時、誰かと何かと共に生きる技術としての「共生の芸術」のエッセンスが「作品」に潜んでいることに気がつくでしょう。
2020年2月20日(木)〜3月2日(月)には、本展を新たに再構成した巡回展を京都造形芸術大学 Galerie Aube / ギャルリ・オーブにて開催いたします。こちらにも是非足をお運びください。
日程
2019年11月16日(土)–11月27日(水)
11月23日(土)は休館
平日 10:00-18:00
土日 10:00-17:00
11月16日は13:00〜17:00
会場
京都府立京都学・歴彩館 小ホール
アクセス
電車でお越しの方
・京都市営地下鉄 烏丸線 北山駅 [K03](1番出口) 南へ徒歩約4分
※車椅子でお越しの方は、北山駅3番出口のエレベーターをご利用ください。
バスでお越しの方
・北山駅前(京都市バス4系統・北8系統) 南へ徒歩約4分
・府立大学前 北へ徒歩約6分
(京都市バス1系統・204系統・205系統・206系統・北8系統、
京都バス32系統・34系統・35系統・45系統・46系統)
車でお越しの方
・名神高速道路京都南ICから車で京都市内地下鉄北山駅方面へ約45分
※歴彩館の駐車場を利用いただく場合、駐車料金が必要。
出展者
美濃彩子+歌舞伎俳優
中根恭子+支援スタッフ
須田久三+喫茶店オーナー
佐久間宏+歴代支援員
杉浦篤+大切な思い出
出展作品
プロフィール
美濃彩子+歌舞伎俳優
以前はとある歴史好きの施設職員の気を惹くため日本史に関する作品が多かったが、現在は「新しい恋人」として歌舞伎俳優の市川猿之助を描いている。「恋人」への想いを反芻するように小さく往き来するボールペンの軌跡が、鋭さと揺らぎを兼ねた独特の線を生む。
中根恭子+支援スタッフ
牛乳パックに印刷された文字や図柄などをハサミで細かく切り取り、収納
ケースの中に丁寧に並べる営みを続ける中根と、その変容する表徴を定期的
に記録している支援スタッフ。些細な変化に向けられた眼差しは、モノをは
じめて世界に自立させる。
須田久三+喫茶店オーナー
独学で絵を学びながら制作を続けてきた須田久三。幅広い興味を持ちながら、近年は緻密なドローイングを手帳に描きつづけている。そんな須田の作品がオープン当初から通い続けている喫茶店「さろん淳平」のオーナーの目にとまり、親交を深めるうちに、2018年に個展を開催するに至る。
佐久間宏+歴代支援員
指先の感触を楽しむのが好きな佐久間。佐久間の心地よい感触を「じゃらじゃら」というものによって作り出そうとするする佐久間の歴代担当支援員。「じゃらじゃら」は佐久間と歴代担当支援員の間で長年受け継がれ続けてきた二人の関係を映し出す。
杉浦篤+大切な思い出
杉浦は気に入った写真があるとその思い出をひとつひとつ確かめるように触り続ける。杉浦の思い出を写す写真は、物質として擦り切れ薄れていく。しかし物質としての風化がむしろ作家の行為を定着させ、表現として鑑賞者に内的変化をもたらしうる。
料金
無料
関連企画
映画上映 / トークイベント(※事前申込不要)
開催日:2019年11月24日(日)
会場:京都府立京都学・歴彩館 1階 大ホール(京都市左京区下鴨半木町1-29)
スケジュール:
11:00-12:00 フリー映像上映
12:30-15:00 「ナイトクルージング NIGHT CRUISING」上映
生まれながらの全盲者が映画をつくるプロセスを追うドキュメンタリー映画。
15:10-16:30 トークイベント
上映映画・展示の関係者によるトークを行います。
進行:林田新[京都造形芸術大学芸術学部アートプロデュース学科 専任講師]
登壇者:佐々木誠[映画監督、映像ディレクター]、加藤秀幸[ミュージシャン、
システムエンジニア]、art space co-jin スタッフなど(敬称略、順不同)
共生の芸術祭 巡回展
11月の「DOUBLES」展を、作家(インサイダーアーティスト含む)の追加、展示作家の動向や展示構成などのキュレーションを加えて批評的に再構築。「DOUBLES」と対をなすように、アウトサイダーアートとインサイダーアートとのダブルスの関係を提示します。