- 展示
ここの出来事※新型コロナウィルス感染症拡大防止のため会期短縮しました
終了しました
会場:鞆の津ミュージアム(広島)
太陽が⻄から昇ってくるのではないことを知ってはいても、東の方角のどのあたりから昇るのか。具体的には、どの山の向こうから、どの家々の間から毎朝、顔を見せるのかは、なかなかすぐに答えられないものです。同じように、自宅で使う水道水はどの水源地から流れてきて、手のひらの中のスマートフォンを動かす電気はどんな電柱を通って送られてきているか。あるいは、いま住んでいる街の名前の由来であるとか、毎日通っている道沿いにいつの間にかできていた空き地にもともと何が建っていたのかを、皆目、思い出せない。といったこともよくあることでしょう。
いつも変わることなく昨日も今日も明日も到来すると思っているものを日常と呼ぶ、とします。そのようにありふれたなじみのある日常の断片は、ふだん、それほど意識にのぼってくることはありません。身近すぎて特段、注意を向けることがないからこそ、全然知らないことだらけというわけです。とはいえもちろん、誰かに知られていてもいなくても、遠くであれ近くであれ、私たちの日常がくりひろげられるそれぞれの現在地には、固有の自然や歴史や人間関係のなりゆきがあり、それにねざした、あるいは翻弄される無数の生や死があります。
本展は、ある特定の地域や空間で経験された出来事やある限られた場所にしかないものをめぐって生み出された独自の創作的表現をお伝えするものです。どんな日常もいつかどこかで必ず終わり、ただなくなって忘れ去られていきますが、現にあった「ここ」のことがらをつぶさに見聞きした結実としてのそれらの表現は、そこにあるのに知ることのなかった日常の幅と厚みを伝えてくれるでしょう。そこには、私たちの様々な「普通」が映し出されているに違いありません。
日程
2019年11月9日(土)–2020年3月1日(日)
月・火曜日(ただし祝祭日は開館。年末年始〈12/30〜1/3〉は休み)
10:00〜17:00
会場
鞆の津ミュージアム(広島)
広島県福山市鞆町鞆 271-1
アクセス
【お車で】
山陽自動車道 – 福山東ICから 約45分
国道182号線を南へ直進。国道2号線まで約15分→国道2号線通過後、鞆の浦方面の案内標識に従って直進約30分。
山陽自動車道 – 福山西ICから 約45分
国道2号線松永バイパスを福山方面へ直進、約20分→神島橋西詰交差点を右折後、芦田川沿いに草戸稲荷を右手に、鞆の浦方面案内標識に従って走行40分。
※お車でお越しのお客様は市営駐車場をご利用ください。
【バスで】
福山駅→鞆の浦まで 約30分
JR福山駅南口・鞆鉄バス/5番乗り場 鞆港行き「鞆の浦」で下車→バス停より徒歩5分
出展者
永沼 幸子
古谷 巌
高田 周
伊藤 益郎
桜水 孝一
米田 寿美
鴻池 朋子
水落 裕子
石月 誠人
料金
入場無料
関連企画
小島美羽トーク
遺品整理会社で働くスタッフとして、現場経験をふまえつつ孤独死の現場を細部まで丁寧に再現したリアルなミニチュアを制作している小島美羽さんをお迎えし、エンディング産業展以外ではあまり展示されることのないミニチュアの現物をいくつか実際に見せていただきながら、 模型にこめられた思いや孤独死の現実についてお話をうかがいます。
日時|2019年12月21日(土)@ 17:00〜18:30
場所|鞆の津ミュージアム館内(休憩室)
参加費|500円
定員|25名程度
要予約| info@abtm.jpにメールかお電話084-970-5380でお申し込みください
<プロフィール>
小島美羽(こじま・みゆ)|1992年埼玉県生まれ。郵便局勤務を経て、2014年より遺品整理クリーンサービス(株式会社ToDo-Company)に所属し、遺品整理やごみ屋敷の清掃、孤独死の特殊清掃に従事する。2016年より業務の一環として、孤独死の現場を再現したミニチュアの制作を独学で開始。それらの模型は国内外のメディアやSNSで話題となった。2019年には『時が止まった部屋:遺品整理人がミニチュアで伝える孤独死のはなし』(原書房)を出版。
鴻池朋子トーク
国内外各地の旅先で出会う人々から聞き取った個人的な「物語」をもとに手芸作品を生み出す《物語るテーブルランナー》プロジェクトを現在も継続して行っている美術家の鴻池朋子さんをお迎えし、ご自身の制作活動についてさまざまにお話いただきます。
日時|2020年1月26日(日)@ 15:00〜16:30
場所|鞆の津ミュージアム館内(休憩室)
参加費|500円
定員|25名程度
要予約| info@abtm.jpにメールかお電話084-970-5380でお申し込みください
<プロフィール>
鴻池 朋子(こうのいけ・ともこ)|1960年秋田県生まれ。絵画、彫刻、パフォーマンスなど様々なメディアでサイトスペシフィックに現代の神話(動物が初めて言葉を話した時の物語)を表現、芸術の問い直しを試みている。2014年からは、秋田県から始まり、青森、奥能登、元ハンセン病療養所・大島青松園、海外はタスマニア、フィンランド等、旅先で出会う人々から個人的な「物語」を聞き取り、それを作家本人が下絵におこし、話者本人がその下絵を元に手芸で制作する《物語るテーブルランナー》というプロジェクトを行ってきた。
お問い合わせ
鞆の津ミュージアム 事務局
〒720-0201 広島県福山市鞆町鞆271-1
TEL:084-970-5380 / FAX:084-970-5381
主催
社会福祉法人創樹会 鞆の津ミュージアム