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南山城学園の粘土室
終了しました
会場:art space co-jin
きょうと障害者文化芸術推進機構では、「南山城学園の粘土室」と題し、社会福祉法人南山城学園が運営する障害者支援施設内にあるアトリエ、通称「粘土室」に通う9名の表現を紹介します。
緑豊かなランドスケープが広がる敷地の中には、年代や障害に合わせた複数の施設があり、様々な方がそこで生活を営んでいます。その方々が創作の時間として訪れるのが粘土室であり、生活と制作が穏やかにつながる場所として多くの方に利用されています。
陶芸を中心にさまざまな制作活動が行われる粘土室では、利用する方の意思を尊重し、それぞれが思い思いに粘土や画材に触れ、そこでの時間を過ごしています。さっと粘土をちぎって造形する人もいれば、少しずつ削り落とす人、スケッチブックや板に絵を描く人など、粘土室を訪れる頻度や制作にかかる時間も様々です。そうして作られたものを見ると、それらは創作物でありながらも、同時に営みの一部であることが感じられることでしょう。本展覧会では、出展者それぞれの表現を始めとして、南山城学園の粘土室に流れる豊かな時間も併せてご高覧いただけましたら幸いです。
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日程
2023年7月18日(火)–10月1日(日)
※月曜休廊
※8月13日(日)〜15日(火)は臨時休廊
10:00-18:00
会場
art space co-jin
出展作家
朝村隆
大江茂春
奥三雄
佐藤佳世子
澤本隆
玉井敬士
西生てる子
西村妙子
早見元良
出展作品









プロフィール
朝村隆(あさむら・たかし)
朝村隆は、ペンやオイルパステル、絵具などの多様な画材を使って制作している。粘土室にいる間は基本的に手を止めることなく描いており、非常に多くの作品を作り出している。
作品の特徴としては、平仮名の「な」がお気に入りであるのか「な」のつく単語(ばなな、なら、さよなら、7など)が多く登場したり、繰り返し書かれることによって言葉が変化する(例:さよなら→ひよなら→まよなら)などが挙げられる。
語感による言葉遊びや、それに添えられたカラフルな図柄によって構成されたスケッチブックは朝村のユーモアで満ちている。
大江茂春(おおえ・しげはる)
大江茂春は、板にオイルパステル(主に暖色系、または補色である緑色系)を用いて作品を制作している。モチーフはなく、パステルの色や描く行為自体を楽しんでいるようである。当初は紙に描いていたが、描き終わると破って捨ててしまうため、形が残るようにと施設のスタッフが板の端材を渡したことから現在のスタイルに至る。制作の際は板をテーブルの上に置いて描くが、必要に応じて板の向きを変えるため、天地を感じさせない軽やかな作品になっている。絵を描くことが好きで、以前はこっそりとオイルパステルを持ち帰り、自室の壁面に絵を描いていたこともあったようである。
奥三雄(おく・みつお)
球状の粘土を積み重ねた「お人形さん」を十年以上前から制作し続けている。「お人形さん」は直径1~2cm程度に丸められた粘土を積み重ね、三列をひとかたまりとして成形し最後に顔を描くことで完成する。球の大きさはその日の奥の体調や気分によって変化する。粘土室に来ると、一度に複数の作品を制作し、その数は日々増え続けている。一見すると同じ行為の反復のように思えるが、それぞれが異なった大きさや色、形、表情を持っており、近寄ってみると奥の作り上げる「お人形さん」の世界に引き込まれていく。
佐藤佳世子(さとう・かよこ)
水彩画や粘土の作品を制作している。水彩画には、佐藤が好きなモチーフである花が色鮮やかに描かれているものが多い。筆だけでなく、指を使って描かれているものもあり、表現によって技法を使いわけていることが見受けられる。粘土の作品も、平面と同じように花などのモチーフから派生した植物を思わせる有機的な造形をしている。佐藤の作品は、共通して穏やかな物語性を帯びているように感じられる。
澤本隆(さわもと・たかし)
澤本隆は「蛇」(または「虫」)をモチーフとした粘土の作品を制作している。制作の工程は、ちぎり取って丸めた粘土をテーブルに置き、容器のフタなどを粘土の上部に押さえつけて型をつけ、棒状の器具で引っ掻くという順番で行われ、それらが繰り返し積み重ねられることで作られている。モチーフが「蛇」であるならば、作品の下側に水平方向に伸びるものが「尾」であり、積み重なった襞(ひだ)が「蛇腹」の部分を表現しているのだろうか。粘土の量感を活かした造形が澤本の作品の特徴である。
玉井敬士(たまい・ひろし)
玉井敬士の作品は主に人や犬をモチーフとして作られている。人は具体的に特定の人物を指しているのかどうかは定かではないが、犬は以前実家で飼っていた犬がモチーフとなっているようである。制作のスピードが早く、粘土を渡すとさっと作り上げるため、その勢いが痕跡として残されたような大胆な造形が特徴であり、多くの作品を制作している。
(きれい好きな性格のためか、汚れるのを嫌がって最近は粘土の作品を作ることが少なくなり、絵を描いていることが多くなったようである。)
西生てる子(にしなり・てるこ)
スケッチブックにオイルパステルによって描かれた西生てる子の作品は、独自の方法によって作り出されている。まず初めにスケッチブックに少しだけオイルパステルで線を描き、次のページも同様に少しだけの線を描き進める。スケッチブックの最後に辿り着くと前のページへ折り返し、また同じように元のページへと進みはじめる。まるで彼女にとってはスケッチブックが1枚の絵であるかのようであり、そこには彼女の過ごす日々が軌跡として閉じ込められているようである。
西村妙子(にしむら・たえこ)
西村妙子は「粘土で作品を作っている」というよりは、「粘土に触れるその感覚を楽しんでいる」といった方が正しいだろう。施設のスタッフによって用意されたロールケーキほどの大きさの粘土の表面を指で掻き取り、その感触を味わうかように指先で軽く捏ねたあと、床に落とすという行為を繰り返している。さらには粘土の表面が掻き取った指の痕跡で埋まってくると、その大きな粘土をも床にに落とすことがある。本展のテーブルの下の台に置かれた作品は、落として形造られたそのままの形態を焼成したものである。
早見元良(はやみ・もとよし)
早見元良の作品は、一つの粘土の塊を握ったり摘んだりして造形することによって制作されている。指で摘んだ痕跡や、襞(ひだ)のような造形から、一見すると有機的なものがモチーフになっているように感じるが、本人曰く「アルプラの立体駐車場」(※)や「高速道路」がモチーフとなっている。絵の作品は、人がモチーフとなっていることが多く、細かい筆致の集積による描写や、崩された身体の表現などは早見の作品が有する特有のグルーヴを生み出している。
※1)アルプラ 滋賀県を中心に展開するスーパーマーケット「アル・プラザ」の愛称。
料金
無料
主催
art space co-jin きょうと障害者文化芸術推進機構
協力
社会福祉法人南山城学園
展示の記録










